RubyWorld Conference 2019 開催趣意書

第11回目のRubyWorld Conferenceが開催されます。広がるRubyの生態系を実感していただければと思います。

Rubyはその登場直後から開発者の気持ちや心の部分を重視してきました。実行効率よりも開発効率、機能を充実させるよりも気分を向上させよう、Rubyの設計にあたって重要視してきた原則は、いつも人間中心でした。ホームページに紹介されている「Programmers' Best Friend」というフレーズひとつとっても、ソフトウェア開発者の気持ちに寄り添う態度が現れています。ソフトウェア開発の生産性を高めるためには、プログラマーの気分が無視できない要因になることを、当初から念頭に置いていたのです。そのような「人間を無視しない」態度がRubyが愛されてきた理由のひとつだったのだろうと考えます。

「人間的要素を大切にする」、「楽しく開発する」、「ソフトウェア開発の生産性を最大化させる」、「ビジネスを成功させる」。一見、無関係に感じられるこれらのゴールが実は密接に関連していることを示し続けてきたのが、Ruby25年の、そしてRubyWorld Confenrence10年の歴史であろうと思います。その甲斐あってか、Rubyについての理解も進み、多くの人がRubyの原則の大切さについて共感してくださるようになりました。多くの人が集まる時に、それはムーブメントとなり、力となります。Rubyを愛する人が集まるコミュニティが、それぞれの成果を持ち寄って、以前では考えられなかったような「豊かな生態系」が生まれました。

これからはこれまで以上に、この生態系を育てること、それから、新たな参加者を迎え入れることが重要になるでしょう。これまでもこれからも他者を受け入れるコミュニティこそがRubyの最大の価値だからです。

RubyWorld Conference 開催実行委員会
委員長 まつもと ゆきひろ

過去の開催趣意書